開会式(牧田全国高P連会長あいさつ)
第69回全国高等学校PTA連合会大会京都大会(令和元年8月22日~23日)
京都市勧業館みやこめっせ
第1分科会 愛媛県立松山西中等教育学校PTA副会長 高橋 永治
第1分科会のテーマ
<よくできる>とはどういうことか? ― 大学は、自分の可能性を見つける場所である
基調講演は 永田 和宏 氏(歌人、京大名誉教授)を講師に迎え、『答えは必ずあるなどと思ってはいけない。‘‘勉強’’で染みついた呪縛を解くことが「知の体力」に目覚める第1歩である』という持論をもとにした講演でした。2020年 教育改革は本格的に動き出そうとしています。当事者である学校と親が、改革の趣旨に則って動けていない現状への痛烈な警鐘だった、と受け止めています。
教育改革が目指すのは、新しい社会を主体的に創造できる人材の育成です。今の日本では、社会が求める人材を大学で育成できていない、という不満が募っています。世界の大学ランキング100位以内に東大、京大が辛うじて入っているだけで、他は200位以内にすら入っていません。テーマの<よくできる>とは、初等中等教育では‘‘正しく答えること’’です(答えが必ず1つある=勉強)。しかし高等教育(大学)では‘‘正しく問えること’’です(学んだことを疑い、問い直す=学問)。高大接続改革において、この2つの<よくできる>の区別が曖昧なまま、まるで高校-大学が単なる連続であるかのような流れを、永田氏は痛烈に批判されていました。
定説を疑い、腰を据えてじっくり正しく問える思考力、つまり「知の体力」(想定外への対処力)こそ、問題発掘、提示力につながります。それが、人間としての面白さを生み、新しい社会を創造する原動力となります。大学で学問をするのは、この「知の体力」に目覚めるためです。つまり大学とは、①自分を知り(知らない自分を知り、知った自分をリスペクト)、②自分を相対化し(複眼的思考)、③自分の可能性(答えられる能力ではなく、問える能力)を見出だす場のはずです。
その後のディスカッションでは、パネリスト3名、会場のPTA、学校関係者4名の質問に永田氏が回答されていました。大学は「知の体力」に目覚める場、という視点に欠けた質問が多かったです。回答で特に気になったのは、①高校までは親として、大学からは友人として、本音で話せる親子関係を築く、②自分の本音の言葉を使って上手にほめる、③途中変更困難な今の進路システムには問題がある、の3点です。
今後、生徒たちが迷わないよう、我々親と教師は、意識を根本的に変える必要があると痛感しました。これまでは、受動的に制度に乗っかっているだけでした。これからは、教育改革の趣旨に則って、目の前の子どもと本音で能動的に関わっていこうと思います。学校に持ち帰って、多くの方々とこの意識を共有し、現状を変えていくことこそ、我々PTAの使命と考えています。
第4分科会 愛媛県立松山中央高等学校 PTA副会長 高橋久美
第4分科会のテーマ
高校生の人間関係について考える〜高校生の本音を聞いてみませんか?
佛教大学副学長の原清治氏を講師に迎え、基調講演とパネルディスカッションを行った。
現代の高校生は、親や教師だけでなく友達にさえ本音を言わないといわれている。講師の原氏は、毎年定期的に多くの高校で生徒と対話するアクティブな講演会を行い、ネット社会を生きる彼らを定点観測されている。豊富な調査事例に基づき、データから見えてくる「現代の高校生の人間関係」についての基調講演は、リアルで現代の親世代にはある意味衝撃であった。
後半では原氏がコーディネーターで、前年度まで高校生であった、司会者を含む大学生6人がパネリストに。現代の高校生の本音を会場の皆を巻き込みながら、和やかな雰囲気の中で上手く引き出した。本人さえ意識していなかった気持ちを言葉にした場面もあり、親として大人として心に響いた。
男子1、女子5のメンバーは、母子家庭で経済的に厳しかったり、大学入試に失敗した体験があったりと、乗り越えたからこそ語れる体験に好感を持った。彼らが高3の時の担任の先生が会場にいて、原氏が絶妙なタイミングでサプライズを仕掛けるのも思わぬ本音が出て楽しかった。
〜本音〜
・放任してほしい人、一緒に悩んでほしい人様々だが、親の方から子供の現状に興味を持って一歩踏み込んで話をして欲しい時がある。お金のことはわかっているけどあまり言われるとウザい!親の失敗談が聞きたい。父親は世間が言うほど嫌われていない、普段はほっといても必要な時は関わって!
・人の話はいくらでも聞けるけど、自分のことは興味を持ってくれるかどうかわからないから話せない⇨本音が言えない。手のかからない、弱音をはかないタイプに多いので見守って欲しい。
・思春期を超えると気持ちが変わる。なかなか言えない〝ありがとう〟親とケンカしながらも愛情は感じている。
・進路希望と違っても学んだ積み重ねはいつか生きてくると信じて、目的へ向かってチャレンジするのを応援して欲しい!(パネリストたちから)
・小中は生活や学力アップのコントロールが可能な時期だった。早い子は高1くらいから自立し始める。子供が親をウザいと感じた時がチャンス!子供を手放す時が来たのだ。親への感謝はどんなときも心にあり、子供がSOSを出したときには即対応すること。くれぐれも先回りしてやってしまわないように。(原氏より)
思い当たる節が沢山ある!私も含め、ドキッとした親が多いことだろう。
2日目の日本電産CEO永守重信氏の記念講演も眠くならない⁈素晴らしい内容で、母親の影響力を再認識した。
我が子の巣立ちを意識するこの頃、親も複雑な思いだが、両氏に視野を広げて頂いたことに感謝している。
第5分科会 愛媛県立今治西高等学校 PTA副会長 村上 雅浩
第4分科会のテーマ
「情報教育を体験する」
私の参加した第5分科会は、LINE株式会社の方3名を講師にお招きして、約1200人が参加してワークショップ型で行われました。
「情報教育を体験する」をテーマとして、「SNSに関するトラブルの予防や対策」と「プログラミング的思考」について子供がどの様に学んでいるかを体験しました。
「SNSに関するトラブルの予防や対策」では、SNSを安全に楽しむ為のワークショップ教材を用いて、同じ言葉でも人が変われば感じ方が違うことを体験しました。また、人は、言葉、耳、目を駆使して相手を理解しょうとしていて、その内言葉の情報の占める割合は7%しかない事がコミュニケーションギャップを生み、特にSNS上ではそのギャップが拡大しやすい事を学びました。