令和7年度 愛媛県高等学校PTA連合会「集う会」活動報告

日時:令和7年12月6日(土)14時30分~16時30分
場所:松山市祝谷町1丁目 エスポワール愛媛文教会館
演題:『「死」から学ぶ生き方とは』
講師:池内 大輔氏
有限会社リベット代表取締役
池さんグループ責任者

【講師紹介】
 2005年に家族とともに「デイサービスセンター池さん」を開所。その後、恩人の為の終の棲家として、2009年「宅老所 大頭(おおと)の池さん」(現在の宅老所 池さんの家)を開所。2013年に宅老所の新規移転に伴い、使っていた建物を「通所介護施設 大頭の池さん」として開所。2015年の10周年に合わせて、10周年記念本「池さんものがたり」を発行。(第32回愛媛出版文化賞を受賞)同時に、お弁当の配達・介護保険外の支援等の事業を一つの形に、ということで「池さん本店」を設立。事業部を二つ創設し、地域の暮らしを支える為に様々なニーズに柔軟に対応中。今年で池さんグループは開設20周年を迎える。
 会社設立前から縦割りの考え方に疑問を持っていたこともあり、「赤ちゃんからお年寄りまで、障がいがあってもなくても一つの場所で助け合える、そんな社会であるべきだ」という想いを掲げ、愛媛県ではじめて一つの事業所で多層的な支援を実施。
 高齢者介護についても、既存の介護が社会通念となっていく現状に疑問を感じていたことから、専門性はもちろんのこと、人間力を高めることに重きを置いて職員を育てており、限りなく家庭に近く、家庭よりも専門的に過ごせる場所として支援を実施している。また、医療に依存しない人生の終え方ということで、自然な日常の中での看取りを実践しており、これまで数十人の方々の最期を見送ってき
た。
 「命」というテーマを通して、これまで介護業界はもちろんのこと、医療業界、農業団体、ボランティア団体、小中学生や大学、教育関係者、一般の方々など、全国各地様々な講演会に出演されている。

 

【自己紹介】
・幼少期は色弱であり、「ものを見る」ことより「ものを見ている人」の表情、感情を見るようになることで相手の感情を共有するようになる。

・大阪で働く中、病床の祖父に対して満足に向き合えず、その後、祖父の死に対して疑問に思ったことの解消をすべく、活動を開始する。

 

【施設設立の経緯】
・祖父の過ごした施設に入社し介護の仕事に従事するが、画一的なシステムに疑問を持つようになる。
・両親と共に民家を使ったデイサービスを始める。「赤ちゃんからお年寄りまで、障害があってもなくても、みんなが支えあって助け合える場所」をつくるが、愛媛県ではじめての取り組みであり、官民ともになかなか認められなかった。

 

【死について】
・孤独とは「自由に物事を考える時間」であり、孤立とは「誰からも理解してもらえない悲しみ」なのではないか。
・様々な「死」を見てきたが、看取り方はそれぞれ違う。個人を尊重する生き方、その集大成である「死」の迎え方は重要ではないか。
【記録ビデオの拝見】
・初めて看取った恩人のご夫婦の記録。
・人生の最期を一緒に過ごすための「終の棲家」とするため、土地と家を購入する。
・過度な医療に頼らない「自然な死」を迎える。

 

【「死」について考えること】
・人生の最期を「病院に任せる」のが一般的になってしまったので、自然な「死」を迎えることが分からなくなってしまった。
・「世の中がこうだから」ではなく、自分で考えることが大切。
・「息を引き取る」とは「引き継ぐ」ことではないか。
・孤独に自分と向き合わなければならないが、孤立してはならない。
・人を思いやれる自分や社会であって欲しいと願っている。

 

【質疑応答】
・「看取り」に共通する点、異なる点などはあるか、という質問には、共通して「悲しいこと」であることではあるが、「死」にはそれぞれ形が違い、一見不幸な形に見えても受け取り方、解釈の仕方で幸せだったと思える。捉え方を日頃より考え、話し合っておくことが重要だ、と回答を頂きました。
・高齢者と障がい者を隔てなく看ることについての弊害はあったか、という質問には、「共生ケア」は愛媛県で初めてで、制度を利用しようとすれば縛りが出てくるので制度に捉われない運営を実施している。当初は役所に受け入れてもらえなかったが、実績をつくり徐々に活動を認めれた、と回答を頂きました。
質疑応答終了後、委員長より謝辞を述べ、花束の贈呈をさせていただき、講演会を終了しました。